どうして殺人犯の弁護をするんだろう?加害者を弁護する弁護士の役割

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世界を震え上がらせるような殺人事件。その殺人鬼を弁護する弁護士。加害者側を擁護する立場の弁護士は、どのような心境でその職務についているのであろうか考えることがあります。今回の記事では日本国民が震撼した事件を例にあげながら、殺人犯を弁護する弁護士の人物像に迫ります。

1.なぜ弁護士は殺人犯の弁護をするのか

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一般的な生活の中で、例えば自分の畑の食物を許可なく盗んだ人を捕まえた時、警察に申し出て窃盗として事件扱いにします。被害を加えた窃盗犯と被害を被った被害者という2つの立場ができるのは容易に思いつく話ですよね。このようなスモールケースですと、弁護士という立場の人間に擁護されることはなく、簡易裁判所などで判決を言い渡されて終了という場合がほとんどです。歴然として、盗んだ人が悪く、盗まれた人は悪くないからです。

では、凶悪な犯罪史に名を残すような過去の凶悪犯に、どうして弁護士がついて弁護するのでしょうか?客観性?売名?それとも・・・

日本国内だけの話をしましょう。
2008年に東京秋葉原で起きた残忍な事件。皆様の記憶にも残っているはずです。無差別に傷害を負わせ男女7名が殺害され、10名が重軽傷を負った殺人事件。犯人は検察の求刑通りに死刑が確定し現在は服役中です。

この犯人にも弁護士が付いています。死刑判決が下るまで、40回を繰り返した裁判に於いても、この弁護士は法廷で犯人を弁護する陳述をしていました。
「どうしてこんな凶悪犯を弁護するの?」「大きなお金でも動いてるの?」など、一般社会ではとうてい受け入れられない法治の図式が法廷内で見られました。

では、どうしてこの弁護士は最後まで犯人を弁護したのでしょうか。
その理由はこうです。

弁護士という立場・職種の人間は、無限責任法人、つまり弁護士法人に所属している事から、自らの職務と見解を司法というルールブックに従い、公平に取り扱う必要があるからです。具体的な犯罪内容や犯罪計画を客観的に精査し、法国家である日本国内の法廷に於いてその義務を果たす使命があります。

また、裁判には適正手続きというフローが’あり、これは被害者・加害者問わず、一つ一つのフローをクリアして行かなくてはいけません。どんな凶悪犯であっても、この適正手続きという工程を経過していくために、その手助けをする第三者が凶悪犯にも必要だからです。

もし、その凶悪性や犯人の非道徳的な言動から、裁判自体を短く済ませ、来週にでも死刑にしましょうという結論に至ってしまうと、他国でも未だに存在する、公前処刑や火あぶりなどの残忍な処刑方法が適用されるとも限りません。
凶悪犯であっても、客観的な証拠や検証を繰り返し行い、慎重に調査し法廷で結論付けるという方法がとられています。

では、逆に犯罪者を弁護するのではなく、えん罪の可能性があった時、弁護士ってどんな事をしてくれるのでしょうか?

2.えん罪をなくすための弁護士の重要性

ホワイトボード

罪を犯してもいないのに逮捕・拘束され裁判で有罪判決を課せられる事を「えん罪」といいます。被害者の勘違いや、警察の初動捜査のミスなどから起こりえるこのえん罪は、罪を課せられた一人(もしくは複数)の人間の一生をダメにしてしまします。

有罪で刑務所に勾留され、数十年に渡って刑務所で暮らすことになったケースも日本国内で過去に何ケースもありました。もし罪を犯していなくても、一度裁判になってしまうと、過去に警察で自供した嘘の供述内容を撤回するのは不可能に近い事ですので、捜査や取り調べの前に、国が用意する弁護士と年密に摺り合わせておく必要があります。それは物的証拠が特に無いにも関わらず、長期長時間に渡る取り調べなどで、精神的に追いやられてしまい、言いなりになってつい、「はい、私がやりました」と返事をしてしまうという、洗脳されるケースもあるからです。

ここで弁護士がサポートしてくれる事は

・実際の取り調べへの対処法
・家族以外の精神的なサポート
・被害者への連絡
・取り調べの陳述書のチェックや違法性を監視する
・アリバイなどの無実を客観的に説明できる情報の収集
・自白調書の内容確認と抗議

など、加害者と疑われている人物一人では到底達成することができない事柄について親身になって付き添ってくださいます。これは人間同士の友情以上の結束と言えるのではないでしょうか?

いくら家族が、情報収集などを通してアリバイや自供の撤回を求めたとしても、起訴前や最中では面会すらしづらいということもあり、弁護士だけが側近として加害者になってしまった人物の助け役になることができるのです。
私がもしこの加害者の立場であったとしたら、精神的にも助けられるでしょうし、専門家の心強い見解に勇気づけられると思います。

3.集団訴訟における企業側の弁護士も似た立場?

集団訴訟

大手企業の隠蔽体質から、民事事件になる裁判に関しても、企業側の弁護をする弁護士がいます。国が選出する弁護士がほとんどですがこの弁護士の立場も、適正手続きをクリアしていくために大事な役割を担います。集団訴訟は、単にユーザーと企業という民事から始まる裁判ではありますが、提訴される内容によっては国が関与する場合があるため、国と被害者と企業とのパイプ役として関わることが多いようです。

凄惨な事故により死亡者が多数出たエアバッグのタカタのケースを見ても、海外ではクラスアクションという集団訴訟が適用され、被害対象となったユーザーへの損害賠償などが決定されました。この際も、タカタ側には有能な弁護士が複数名ついており、TOYOTAやNISSAN、HONDAやBMWなどの関係機関との折衝をしていたのがタカタ弁護団です。

損害賠償額の決定に至るまでの経緯を司法にのっとって客観的に進め、被害者の声を汲みながらもタカタサイドで見解を整理し、金額や補償内容を打診するという役割になります。
タカタの場合、裁判で下される保証内容の規模は個人同士の裁判とは異なり、とても大きな額面になりますが、弁護士の立ち位置は個人同様に、適正手続きを担う人という理解で良いと思います。

4.冷静に現実を整理する役割を果たす

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前章にも挙げたとおり、加害者側の弁護士は、精神的なサポートをはじめ、客観的な事実を淡々と整理しながら向き合ってくれる人物であるということです。

どんなに強いメンタルを持ち合わせた人間でも、少ない睡眠で数週間も拘留され取り調べを受け続けることで、多少なりとも判断のミスが生じてくるものですよね。
私がその立場であれば3日と持たないで、嘘の自供をすると想像していました。

人間は疲労が溜まると、その疲労回復のために物事を正しい方法で対処しなくなる生き物です。そんなマイナスな体調とメンタルの時に、客観的なジャッジのもと、正しい方向へ誘導してくれる弁護士は、どれだけ助けになるかご想像できますか?

殺人犯を弁護する弁護士 “まとめ”

書類

計画された殺人事件、もしくは過失があり殺してしまった事故、どんな死亡事件でも、加害者には弁護士が存在し弁護します。感情的に「どうしてそんな凶悪犯の弁護をするの?」と信じられないという空気が一般論として流れますが、人間として存在する最低限の尊厳を保ってあげているのも、弁護してあるという事も忘れたくないですね。

歴史上には凄惨な方法で虐殺をした人物が数多く存在します。またそういう悲惨な事件が現代風に繰り返されているのも事実です。これからの時代は、高い倫理観をもって犯罪者に対して、今までの視点を変えながら接することが必要かもしれませんね。そして、えん罪をなくす活動や努力をしている弁護士の存在も、同時に覚えていたいものです。

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